ヒトトキノアカリ 時針・分針を使った時計の作品を作ってきまして、最後は秒針を使った作品です。 回転する秒針が時を刻みながら発光します。秒針が生んだ光は蓄光板に残像として残り、一瞬または一秒間の軌跡を描きます。時間が経つとその残像も徐々に消えていきます。 刻々と過ぎていく「ヒトトキ」を「アカリ」という形で鑑賞できるようにしました。 —-技術的解説 秒針の先端に小さなLEDを設置。さらに秒針の両端には短い導線を繋げます。まるで文字盤面に触手を伸ばすかのように。秒針自身も導線としての役割を持ちます。片方の導線から秒針を通ってもう片方の導線へ電気が流れるとき、LEDが光るようになっています。 文字盤面にはアルミテープが二重丸状に貼られています。そしてアルミテープは裏側で電源と繋がっています。つまり、内側の円がプラス、外側の円がマイナスです。外側の円はところどころ途切れています。 秒針が回転すると、両端の導線がこのアルミの円に接触し、通電します。外側の円とは接触したり途切れたりしますから、それによりLEDの明滅が生まれます。 そして時計の表面には蓄光シートを貼ったアクリル円盤を設置します。これにより光った部分が残像として残るようになります。 —-さらに細かい解説 光るタイミングはあらかじめ決められています。一瞬光る場所もあれば一秒間光る場所もあります。実はこれモールス信号になっています。「--・・- ・・-・・ ・・-・・ -・-・・ ・・-- --・-- ・-・・ --・」=「ヒトトキノアカリ」です。ビジュアルとしても面白く、かつ何かそこに意味を持たせられないかなと。結局ダジャレ的になってしまいましたが。 CLIENT Personal work DATE October 2024 Tool UV LED