森隆太アトリエ個展

寄り道が止まらない

期間

2025年3月7日(金)~9日(日)
11:00~19:00

場所

ギャラリーマルヒ
〒113-0031 東京都文京区根津2-33-1
・東京メトロ千代田線根津駅 根津交差点方面改札口より徒歩5分
・東京メトロ千代田線千駄木駅  団子坂方面改札口より徒歩9分

入場料

無料

※お問い合わせはhello@moriryuta.comまで

本展示では、わたしが2022年から作り始めた電子工作作品を展示します。

作品を作り始めたきっかけは、作るための道具があるから、でした。

私が勤める白という会社は主に展示物を作る会社ですので、NC切削加工機・3Dプリンターそれから、はんだごて・圧着工具・ストリッパー・・・など、なんでもあります。

そこで、せっかくなのでこのなんでも揃っている環境を利用しないともったいないと思い、スキル向上も兼ねていろいろと作ってみることにしました。

 

「あるものを使う」という考えで作り始めたので、コンセプトは作り込まず、なんとなくこんなのがあったら面白いかなくらいのノリで始めました。そのため何の役に立つのかわからない、何が目的なのかわからない奇妙なものが多かったです。

 

1作品つくるのにはそれほど時間がかかりませんでした。

また、一旦作ってみる精神でむりやり「完成!」とし、数を増やすことで自分のテンションを上げていきました。

その中でも意識していたのは、役に立ちそうで立たないものを作るということでした。なぜかというと、役に立つものを作った瞬間ライバルが一気に増え、何かと比較されるからです。そんなわけでオリジナリティ的なことも意識していました。

ただ、そうすると次第に自分でも何を作っているのかわからなくなります。なぜなら役に立たないものを作っているからです。

そんな折、知り合いに言われた「森さんが作っているのは寄り道のようですね」という言葉がしっくりきました。

子供のころは学校から家までにはたくさんの道のりがありました。

 

犬に吠えられないよう避ける道、子供だけが通れそうな細い道、
そして「危ないから通らないように」と言われたけれど、どうしても気になる道…。

 

その日の気分や興味に導かれるまま、たくさんの寄り道をしていました。
そこには、小さな発見や冒険、時には失敗がありました。

大人になると、効率や合理性を重視するようになります。
行動範囲は広がったのに、いつの間にか寄り道をすることが減り、日常の中に潜む「ちょっとした発見」に出会う機会も少なくなっているように感じます。

 

私の制作過程は、子供のころの寄り道に少し似ているかもしれません。
この部品、本来の役割とは別の使い方をしたらどうなるだろう?
この役割をあえてなくしたら、どんな形が見えてくるだろう?
そんな試行錯誤を繰り返す中で、実用性とは違う面白さが宿る気がしています。

作品を通じて子供のころの寄り道を思い出し、少しだけ立ち止まってみたり、普段とは違う道を選んでみるような感覚を楽しんでいただけたらと思います。

出展作品(一部)

MASS

上に置かれた物体の重さに応じて明るくなる照明を作りました。

saund

単純な回転運動を往復運動に置き換えるスコッチヨーク機構を用いて、砂の音を聞くための装置を作りました。

アイが止まらない

アイが止まらなくなる装置です。

じしんが無い時計

時計から時針を無くしてみました。

森 隆太

1992年 熊本生まれ
2015年 九州大学 工学部建築学科 卒業
2017年 九州大学大学院 人間環境学府 空間システム専攻 修
2017-2022年 広告制作会社勤務
2022-現在 株式会社白

普段は、体験展示の企画/制作・プロジェクトマネジメントなどを行っています。